日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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prr9/prr7/prr5の概日リズムの崩壊様式
*中道 範人北 雅規伊藤 照悟榊原 均水野 猛
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p. 165

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抄録
概日リズムは植物に昼夜変化を予期させる機構で、内因性の概日時計によって制御されており、この時計の中心振動体の機構はCCA1/LHY、ELF4、GI、LUX(PCL1)、PRR1(TOC1)そしてPRR9/PRR7/PRR5といった因子間でのフィードバックから成立する。このように時計中心の理解は進んでいるが、時計中心から出力系への働きかけ方などはよく分かっていない。そこで我々は時計変異体prr9/prr7/prr5をもちいてマイクロアレイ解析を行った。
18日間、連続明の条件で生育させた野生株とprr9/prr7/prr5変異株を地上部3時間毎にサンプリングした。このとき見かけ上の概日リズムは停止しており、どの時点での遺伝子発現も定量的に同じであり、この条件でprr9/ppr7/prr5で発現上昇した遺伝子を網羅的に取得した。これら遺伝子は逆にPRR5過剰発現体では抑制されており、またPRR5らは、これら遺伝子のプロモーター活性の抑制効果を示した。さら明暗条件で再検出すると、これら遺伝子は概日リズムに制御されており、明け方から昼にかけて発現ピークを示した。この位相はPRR5らが発現する時間である。つまりPRR5らは、中心振動体の一部でもあるが、網羅的な朝位相の遺伝子発現の抑制をするという直接的な時計の出力として機能すると考えられた。
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© 2006 日本植物生理学会
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