日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
高齢者に歯冠補綴装置と部分床義歯を用いて口腔関連QOLの改善を図った1症例
橋本 睦都
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2019 年 11 巻 2 号 p. 155-158

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抄録

症例の概要:患者は73歳女性.下顎部分床義歯の動揺による咀嚼困難を主訴に来院.歯冠補綴装置と部分床義歯を用いて咀嚼困難および審美不良を改善するとともに,口腔関連QOLの向上も得られた.

考察:本症例は,咬合接触状態を改善したことにより主訴が改善できた.近年,咬合と全身の平衡機能の関係が報告されている.本症例でも重心動揺軌跡長が一時的に増減した.これは治療に伴い咬合接触位置が変化したためで,咬合支持が確立されたことで軌跡長は短く安定したと考えられる.

結論:高齢者に歯冠補綴装置と部分床義歯を用いて,咀嚼困難および審美不良を改善することができた.また,口腔関連QOLが向上し,姿勢の維持も良好な状態を得ることができた.

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© 2019 公益社団法人日本補綴歯科学会
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