日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネにおけるRacGTPaseとRタンパク質との相互作用の解析
*高橋 弘喜中島 綾子川崎 努島本 功
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p. 227

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抄録
植物は、病原微生物に対して「植物免疫」と呼ばれる生体防御機構を備えており、病原微生物の侵入認識後、一過的な活性酸素種の生成、防御遺伝子群の発現制御等、様々な抵抗性反応を誘導する。我々はこれまで、低分子量Gタンパク質OsRac1が様々なエフェクターとの相互作用を介して、種々の抵抗性反応を誘導する重要な因子であることを明らかにしてきた。一方で、植物は抵抗性(R)遺伝子産物(タンパク質)による病原微生物の特異的認識によって抵抗性反応を発揮する。同定されたRタンパク質の多くがNB(nucleotide binding site)-LRR(leucine rich repeat)構造を持つことが明らかにされている。当研究室におけるアフィニティクロマトグラフィを用いた解析によるOsRac1との相互作用因子の探索から、NB-LRR型構造を有するタンパク質が数多く同定された。このことは、OsRac1がRタンパク質を介した病原体認識において機能していることを示唆する。本研究では、Rタンパク質とOsRac1との相互作用を詳細に解析するために、酵母two-hybrid法、in vitroのpull down assayによってRタンパク質に高く保存された構造であるNB領域とOsRac1との相互作用を確認した。現在、他のRタンパク質とOsRac1との相互作用解析をさらに進めている。
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© 2006 日本植物生理学会
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