廃棄物資源循環学会誌
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特集:食品ロス半減に向けて
京都市ごみ細組成調査における食品ロス等の発生実態把握
――40年間の変化および最新動向――
浅利 美鈴 矢野 順也酒井 伸一長谷川 一樹小泉 春洋高月 紘中村 一夫
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2020 年 31 巻 4 号 p. 273-284

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抄録

京都市においては,京都大学と協働して,1980 年から 40 年以上にわたり,家庭ごみの細組成調査が続けられている。継続性と,詳細な調査項目の点において,世界でも類をみない調査といえる。中でも,食品ごみや食品ロスは,重要なごみ削減対象品目と認識され,詳細な分類に加え,期限表示別や袋別計量による排出傾向や出現率の把握も試みてきた。事業系についても,2007 年度以降,数回,類似手法にて細組成調査が行われてきた。
 これらの結果として,家庭ごみおよび事業ごみの両方において食品ごみは重量ベースで約 4 割と最も多くを占めること,減量傾向にあるものの,食品ロスをピーク時から半減するという目標には届いていないこと,さまざまな理由により多くの家庭から出てくると考えられることから,さまざまな削減方策を検討する必要があることなど,政策や消費者教育に多くの知見を提供してきた。適宜改善を加えながら,今後も関係者の協働体制を維持することが重要である。

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© 2020 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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