日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ATG6・PI3キナーゼ複合体の膜動態と花粉発芽に於ける機能
*藤木 友紀大隅 良典
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p. 261

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抄録
ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)は細胞増殖や小胞輸送など様々な生命現象に関与する。酵母のVPS30/ATG6はPI3KであるVPS34やVPS15と複合体を構成し、液胞タンパク質CPYの輸送 (VPS経路)だけでなくオートファジー(自食作用)にも必須である。昨年の年会で我々は、シロイヌナズナATG6を欠損した花粉が発芽できないことを報告した。その後、VPS34やVPS15の遺伝子破壊株でも花粉が発芽できないことを確認した。またシロイヌナズナATG6の小胞輸送における機能やATG6タンパク質の細胞内局在についても結果を得たので併せて報告する。
酵母atg6/vps30変異体中でシロイヌナズナATG6を発現させると、窒素飢餓条件下でオートファジックボディの蓄積が見られた。またVPS経路の機能欠損も若干ではあるが回復していた。これにより、植物のATG6もオートファジーとVPS経路という異なる2つの膜輸送機構に機能しうることが明らかになった。次に培養細胞プロトプラストで細胞内局在を調べたところ、GFP-ATG6、GFP-VPS34いずれも、細胞当たり一つまたは数個の輝点が観察された。このオルガネラにはオートファゴソーム前駆体のマーカーであるATG8が載っていた。植物でもPI3K複合体がオートファゴソーム形成を通して、オートファジーに必須な機能を果たしていると考えられる。
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© 2006 日本植物生理学会
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