日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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カタラーゼのペルオキシソームへの輸送に関わる因子の解析
*大島 良美神垣 あかね真野 昌二林 誠西村 幹夫江坂 宗春
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p. 262

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抄録
多くのペルオキシソームタンパク質は細胞質で合成され、C末端またはN末端に存在するターゲティングシグナル(PTS1, PTS2)がPTSレセプター(Pex5p, Pex7p)に認識されペルオキシソームへ運ばれた後、ペルオキシソーム膜上の輸送装置(Pex10p, Pex12pなど)によってペルオキシソーム内へ輸送されると考えられている。カタラーゼは過酸化水素を分解し、無毒化する酵素としてペルオキシソーム内に大量に蓄積されている。しかし、カタラーゼには明確なPTS1, PTS2がみられず、カタラーゼに特異的な輸送経路の存在が示唆されている。
本研究では、Pex5p, Pex7p, Pex10p, Pex12pに焦点を当て、タバコBY-2細胞において、RNAiによる発現抑制株を作成し、GFPとカタラーゼの融合タンパク質の細胞内局在を観察した。その結果、Pex10p, Pex12pの発現を抑制した場合、カタラーゼのペルオキシソームへの輸送は阻害された。しかし、Pex5p, Pex7pの発現を抑制してもCat1のペルオキシソームへの輸送は阻害されなかった。このことから、Pex5p以外のタンパク質がカタラーゼの輸送に関与している可能性が示唆された。そこで、酵母two-hybridスクリーニングによりカタラーゼに結合するタンパク質を探索し、得られたタンパク質について、その解析を行った。
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© 2006 日本植物生理学会
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