日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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クロロフィリドaオキシゲナーゼの蓄積制御機構のドメイン機能解析
*櫻庭 康仁山里 明弘中川原 栄基田中 亮一田中 歩
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p. 332

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抄録
光合成のクロロフィル代謝系において、クロロフィリドa オキシゲナーゼ(CAO)はクロロフィルaをクロロフィルbに転換する酵素として、重要な役割を果たしている。クロロフィルbの量はCAOの蓄積によって調節されているが、その制御機構はまだ明らかにされていない。今回、CAOの蓄積制御機構を明らかにするために以下の解析を行った。 CAOはA、B、Cの3つのドメインから構成されているが、A、Bドメインがその制御機構に関っていると考えられている。それらの配列を調べたところ、Bドメインにはどの植物でも高い親水性を持つ領域(PEST-like 配列)が存在することを見出した。これらの結果をもとにシロイナズナで、A,B,C各ドメインを削ったCAOやA、Bドメインにアミノ酸変異を導入したCAOにGFPを融合し、それらの強制発現株を作成した。作成した株のCAOタンパク質やクロロフィルa, b量を、共焦点顕微鏡やウエスタンブロット、HPLCで解析した。以上の解析から、BドメインはPEST-likeな配列はあるものの葉緑体内でCAOタンパク質の分解に必須ではないことがわかった。またAドメインへの変異導入株ではCAOの蓄積制御が効かない株が得られた。これらの結果から葉緑体内でのCAOの制御機構について議論したい。
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© 2006 日本植物生理学会
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