抄録
高等植物、紅藻類、藍色細菌において、phytobilinはフィトクロムやフィコビリン蛋白質で光受容色素、光合成色素として用いられている。Phytobilinは、ヘムの代謝産物であるビリベルジンΙΧα (BV) からフェレドキシン依存性ビリン還元酵素 (FDBR) によって合成される。FDBRファミリーの一つであるPcyAは、BVにおけるテトラピロール環のD環のビニル基とA環を順番に2電子還元し、フィコシアノビリンを生成する。このことは、PcyAが何らかの方法でD環とA環を区別し、さらに還元の順序を制御していることを示す。
我々は、Synechocystis sp. PCC6803由来PcyAの大量発現系を確立し、PcyA-BV複合体の立体構造を分解能1.51 Å で決定した。これはFDBRファミリーにおける初めての立体構造である。得られた構造を基に、電子供与体であるフェレドキシンの結合部位やPcyAにおける基質認識、反応機構について考察を行った。さらに、他のFDBRに対してホモロジーモデリングを行い、それらに基づいて分子表面の特徴や活性残基を比較した。