日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおける GA 3-酸化酵素遺伝子の転写制御機構の解析
*金本 理沙松下 茜山香 賢治古本 強高橋 陽介
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p. 401

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抄録
ジベレリン(GA)は高等植物の発芽や伸長成長を制御する植物ホルモンで、その内生量調節機構の解明は植物の形態形成の分子機構を理解する上で重要である。植物は GA 内生量の変動を自ら感知し、GA 生合成や分解に関わる酵素遺伝子の発現を協調的に変化する事で GA 内生量を一定の範囲内に維持する機構を備えている。GA 生合成経路の最終段階で働く GA 3-酸化酵素遺伝子は内生 GA 量に応じて転写レベルでフィードバック制御を受けることが知られている。我々は現在までにGA 3-酸化酵素遺伝子の GA によるフィードバック制御機構の解明を目的とし、シロイヌナズナの主要な GA 3-酸化酵素遺伝子 AtGA3ox1 のプロモーター解析を行った。その結果、GA に負に応答するシス領域の決定と、そのシス領域に特異的に結合する転写因子として AT-hook モチーフを持つタンパク質 AGF1 を同定した。AGF1の転写は GA 内生量の影響を受けないので、GA に依存した転写後または翻訳後の AGF1 機能制御機構が存在すると考えられた。そこで AGF1 と特異的に相互作用するタンパク質を酵母 two-hybrid 法により探索した結果、Zn フィンガー型転写因子 ZAF1 が単離された。プルダウン法により AGF1 と ZAF1 のin vitroでの特異的結合を証明した。現在 ZAF1 の機能解析を行っている。
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© 2006 日本植物生理学会
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