抄録
最近、我々はジベレリン (GA) の細胞内受容体、GID1をイネより単離した。GID1は、核に存在し、GAと結合すると、次に抑制因子であるSLR1と結合する。これにより、SLR1は分解され、GA応答が起きると考えられる。
今回は、GID1とGA、及びGID1とSLR1の結合部位について解析した。現在までに、我々はgid1変異体として、gid1-1~gid1-6のシビアなアリルとgid1-7, gid1-8の弱いアリルを単離している。前者の変異部位は、すべて、イネとアラビドプシスに保存されたアミノ酸で、GID1たんぱく質の中央付近に位置した。一方、gid1-8は、N末端側に変異があった。GID1は、hormone sensitive lipase (HSL) とよく似た一次構造を有しているが、この中央付近には、HSLの活性中心を構成する "catalytic triad" に対応するアミノ酸がある。gid1-1~gid1-8に対応する変異型GID1、ならびにN末、C末端側を欠損させたGID1たんぱく質を作製し、これらのGA結合能を調べた結果、中央付近からC末端までがGAとの結合に必須であった。このことから、HSLの活性中心様構造がGID1でも存在し、GAとの結合に関与することが予想された。さらに、SLR1側のGID1との結合部位について調べたところ、DELLA, TVHYNP領域が必要であることが解った。