抄録
水に難溶である物質の水溶性の増大には配糖化は極めて有効な手段である。ニチニチソウ(Catharanthus roseus)培養懸濁細胞は培地に添加したcurcuminを少なくとも5種類の配糖体に変換する。配糖体の産生には2種類の糖転移酵素が関与しており、そのうちcurcuminのフェノール性水酸基に糖を転移する反応を触媒する酵素(UCGT)については、CaUGT2としてcDNAが単離されている。一方、curcumin glucosideに糖を転移し、糖鎖を伸長する反応を触媒する酵素UDP-glucose: curcumin glucoside 1,6-glucosyltransferase(UCGGT)については未だ同定されていない。本研究では、UCGGTのクローニングを目標に、その精製を試みた。凍結培養細胞を破砕後、タンパク質を抽出し、硫安沈殿後、陰イオン交換、疎水性、ヒドロキシアパタイト、アフィニティ、ゲルろ過クロマトグラフィーを順次行った。UCGGTの活性はUCGT活性と明確に分離され、最終的には比活性で250倍まで精製できた。本酵素は、curcuminに対する配糖化活性は全く示さず、curcumin glucosideのglucose残基に1分子のglucoseを付加してgentiobiosideとする活性のみを示した。また、フラボノイド配糖体に対しても糖転移活性を示した。