日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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空色西洋アサガオの開花におけるイオン輸送と水輸送
*吉田 久美小寺 未華三木 直子三村 徹郎岡崎 芳次加藤 潔
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p. 447

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抄録
空色西洋アサガオ(Ipomoea tricolor cv. Heavenly Blue)の花は、ツボミは赤紫色で咲くと青色になる。我々は、この変化が液胞膜上にNHX1が発現して液胞pHが上昇するためであることを明らかにした1, 2) 。この過程で表層の有色細胞の体積は増大する。従って、一連の現象は、カチオンの液胞内輸送により浸透圧を上昇させて水を輸送し、細胞を伸長成長させるために起きたものと推定される。しかし、NHX1の輸送するイオンの種類や、液胞内のイオン濃度は不明である。そこで、開花における細胞体積とイオン濃度の変化を分析した。
露地栽培のアサガオ花弁を用いて、表層の着色細胞の体積増加を経時的に測定した。開花までの24時間で細胞は約3~4倍に増大した。原形質分離法により浸透圧を見積もったところ、-24 hで0.92 Mpa (370 mOs)だったものが、-3 hで1.06 Mpa (430 mOs)まで上昇し、0 hで0.94 Mpa (380 mOs)に低下することがわかった。花弁着色部より有色プロトプラストを調製し、イオンクロマトグラフィーで分析したところ、主なカチオンはK+ で30-90 mM含まれていた。一方、Na+ は数mM程度と少なかった。主なアニオンはCl- でPO43-も検出された。細胞内K+ 濃度は開花過程で一旦減少後増加した。NHX1の発現と細胞伸長成長の関係について考察し、報告する。
1) K. Yoshida et al. Nature, 373, 291 (1995). 2) K. Yoshida et al. Plant Cell Physiol., 46, 407 (2005).
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© 2006 日本植物生理学会
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