日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるMatrix attachment regionの同定
*立木 賢輔長屋 進吾児玉 悠一新名 惇彦加藤 晃
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p. 475

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抄録
Matrix attachment region ( MAR )は、核内骨格構造体である核マトリックスとタンパク質を介して結合するDNA領域である。MARは1kb前後の配列で、染色体上に50 kbから100 kbの間隔で存在しているとされているが、共通配列は見出されておらず、また、植物での知見は少ない。
本研究では、植物におけるMARの機能を調べるために、シロイヌナズナの5番染色体の長腕をカバーするゲノムタイリングアレイを用いて、MARの候補となる領域を多数同定した。アレイ解析には、シロイヌナズナの培養細胞からプロトプラストを作製し、TritonX-100による細胞膜・核膜の可溶化、Micrococcal NucleaseによるDNAの切断、さらに遠心し、核マトリックスと挙動を共にしたDNAをプローブとして用いた。次に、アレイ解析より得られたMAR候補について、調整した核マトリックスとの結合実験を行ったところ、ほぼすべての候補が核マトリックスと結合した。また、MAR候補領域を含む20 kbの領域(4遺伝子を含む)について、さらに鮮明に解析したところ、この領域内には3箇所にMARが存在していた。これらMARと4つの遺伝子の位置関係についても合わせて報告する。
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© 2006 日本植物生理学会
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