日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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原始紅藻Cyanidioschyzon merolaeの核と色素体ゲノムにコードされるcfxQの機能解析
*藤田 清仁太田 にじ
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p. 476

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抄録
植物において二酸化炭素の固定の酵素RuBisCOはrbcL, rbcSにコードされている。RbcLのアミノ酸アラインメントを基に系統樹を作成すると、大きくプロテオバクテリア型(R型)とラン藻型(G型)に分かれることが報告されている。G型のRuBisCO遺伝子はrbcL-rbcSのオペロン構成をとっているが、R型のRuBisCO遺伝子はrbcL-rbcS-cfxQオペロンとしてRuBisCO遺伝子の発現に必要と推測されている未知遺伝子cfxQが存在している。
原始紅藻Cyanidioschyzon merolaeは最近全塩基配列が決定され、核ゲノムと色素体ゲノムの両方にcfxQをコードしていることがわかった。また、この二つの遺伝子は系統、転写様式も異なっていることを我々は明らかにしてきた。本研究では色素体と核にコードされている二つのcfxQについて機能とそれぞれの相違点を明らかにすることを目的として研究を進めている。
今回、核と色素体のCfxQタンパク質を精製しゲルシフト解析を行った結果、両CfxQが色素体ゲノム上のrbcLプロモーター領域に結合すること、また結合に影響を与える因子が存在することが明らかになった。このことからCfxQの機能について考察する。
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© 2006 日本植物生理学会
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