日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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レセプター様キナーゼ(RLKs)遺伝子破壊株の花粉における表現型解析_花粉発芽阻害と種子の減少について
*宮崎 さおり住川 直美長谷部 光泰
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p. 589

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抄録
我々はマイクロアレイ解析によって45個のRLKがシロイヌナズナの花粉/花粉管に発現している事を明らかにしてきた。単一遺伝子の遺伝子破壊株は強い表現型を示さなかったので、更なる遺伝子機能解析のために、姉妹遺伝子間でT-DNA挿入遺伝子破壊株をかけ合わせ、10組の2重遺伝子変異体を作成した。
これまでに、in vitroで野生株に対して花粉発芽率が0%近くまで減少する株が得られた。自家受精時の破壊遺伝子の分離比は異常ではなかったが、1鞘当たりの種子数は中央値を比較すると野生株の半分にまで減少しており、その減少は最初から10個までの花においてより顕著であった。柱頭により少数の花粉しか付かなかった時に花粉発芽伸長の阻害が促進されるのかもしれない。
他に、異常な分離比を示し、2重遺伝子破壊株が得られない株を得た。野生株の雌蕊に対し交雑実験を行ったところ破壊遺伝子は次世代に伝播されず、2重遺伝子破壊をもつ花粉は受精していない事が示唆された。これらの花粉の発芽率はin vitroで極端に減少する事はなかったが、種子数の減少は顕著であったことから受精に関係する遺伝子として重要な役割を担っていると示唆された。
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© 2006 日本植物生理学会
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