抄録
成熟メロン果実の果肉組織よりRT-PCR法でEIN3様遺伝子のcDNA断片を得た.そのcDNAを用いてメロン果実 cDNAライブラリーから2種類のEIN3様遺伝子((CM-EIL1,CM-EIL2)のcDNAをクローニングした.アラビドプシスEIN3に対してそれぞれアミノ酸レベルで61.4% と55.1%の相同性を示した.ノーザンハイブリダイゼーションでCM-EIL1とCM-EIL2のmRNAレベルを調べると未熟果実では低いが,成熟果実では増加した.メロン葉切片に切断傷害処理やエチレン処理をおこなってもCM-EIL1とCM-EIL2のmRNAレベルは増加しなかった.CM-EIL1とCM-EIL2は酵母システムでほぼ同程度の転写活性化能を示した.ルシフェラーゼ遺伝子を結合したCM-ACO1遺伝子プロモータ断片とCM-EIL1,CM-EIL2をメロン葉でパーティクルガン法により一過的に過剰発現させると,それぞれコントロールに比べて3倍および1.5倍活性化することがわかった.これらの結果から活性化能の違いはCM-EIL1,CM-EIL2がCM-ACO1プロモータに対すに結合能が異なることによると考えられる.