日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナRETINOBLASTOMA-RELATED PROTEIN 1の機能解析
*平野 博人河村 和恵新名 惇彦関根 政美
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p. 647

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抄録
植物の細胞周期制御は動物との類似性が高く、特にG1/S移行期の増殖制御に重要な役割を果たすRb(retinoblastoma)を中心とするシグナル経路が、植物においても機能すると考えられている。シロイヌナズナRbはゲノムに1種類(AtRBR1)存在し、T-DNAが挿入されたホモ接合体は雌性配偶体形成の過程で致死になることが報告されており、植物においても必須の遺伝子であることが分かっている。本研究では、同調培養が可能な培養細胞MM2dを用いて細胞周期に伴うAtRBR1の発現を解析した。さらに、RNAiによりAtRBR1を抑制させ、AtRBR1の機能解析を行った。
タンパク質レベルでの発現を解析したところ、G1期からS期の移行期においてAtRBR1は高リン酸化状態をとることが確認された。また、MM2dの粗抽出液を用いてE2F転写因子との結合解析を行った結果、低リン酸化のものはE2Fと結合したが、高リン酸化のものはE2Fと結合できないことが分かり、植物でもAtRBR1はリン酸化により機能が制御されていることが示唆された。次に、誘導可能なプロモーターの制御下でRNAiによってAtRBR1を抑制し、DNAヒストグラム解析した結果、G1期が短くなることが分かった。さらに細胞の大きさを比較したところ、AtRBR1を抑制した細胞は顕著に細胞のサイズが小さくなることが明らかになった。一方で、AtRBR1を抑制したまま培養を続けると、コントロールと比較して細胞数が減少し、多くの細胞がG2期で停止することが分かった。
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© 2006 日本植物生理学会
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