日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナDNA複製開始因子AtORC1aおよびAtORC1bの機能解析
*金 鍾明黒森 崇藤 泰子平山 隆志関 原明篠崎 一雄
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p. 650

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抄録
DNA複製開始点認識複合体ORC (Origin Recognition Complex)は真核生物に保存されるDNA複製開始の必須因子である. ORCを構成するサブユニットの一つであるORC1は, DNA複製およびジーンサイレンシングの制御を介して分化および発達に関与していると考えられている.シロイヌナズナゲノム中には2つのORC1ホモログ(AtORC1aおよびAtORC1b)が存在しているが、それらの機能はよくわかっていない.本研究ではAtORC1aおよびAtORC1bについて機能解析を行った.これら遺伝子はそれぞれ出芽酵母ORC1の機能を相補した.また,これらタンパク質はそれぞれ核に局在していた. AtORC1a遺伝子破壊株は,抗生物質存在下および低温条件下で,発生初期に顕著な主根の伸長遅延がみられた.この遺伝子破壊株の根端組織では, S期特異的な細胞周期の停滞がみられた.一方, AtORC1b遺伝子破壊株は劣性致死であった.また, AtORC1bは根端,側根原基および茎頂組織で特異的に発現していた. AtORC1aおよびAtORC1bのDNA複製に関する機能と,これら遺伝子の機能的分化について考察する.
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© 2006 日本植物生理学会
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