抄録
CHUP1は葉緑体が光条件に応じて配向するためには必須なタンパク質である。N末端には25アミノ酸ほどの葉緑体外包膜への局在シグナルがあり、N末とC末の間にはアクチン繊維結合部位とプロリンに富む領域を持つ(Oikawa et al, 2003)。本研究ではまずCHUP1のポリクローナル抗体によりCHUP1の細胞内局在を調べた。その結果N末端の局在シグナルがCHUP1の細胞内局在並びに機能に重要である事がin vivoで明らかとなった。さらに機能部位を欠失させたCHUP1タンパク質を発現させた時の形質の変化からCHUP1の機能部位と葉緑体局在との関連性を調べた。その結果、CHUP11-500aaではchup1の変異形質が部分的に回復し弱光下にもかかわらず葉緑体は強光下における野生型に近い局在様式を示した。葉緑体局在の正常化にはCHUP1のC末側の構造が重要であり、アクチン重合機能との関連性が推測された。