日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナCMP-KDO合成酵素のキャラクタリゼーション
*小林 優高津 渚田島 洋間藤 徹
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p. 677

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抄録
3-Deoxy-D-manno-oct-2-ulosonate(KDO)は、ペクチン質多糖ラムノガラクツロナンII(RG-II)の特異的構成糖である。KDOはKDO cytidylyltransferase(CMP-KDO synthetase; CKS)によって糖ヌクレオチドCMP-KDOに変換された後、糖転移酵素によって多糖へ組込まれる。従ってCKS活性を欠く変異株は正常なRG-IIを合成できず、RG-IIの生理機能を研究する有用な実験材料となり得る。そこで本研究ではCKS欠損シロイヌナズナの作出を目的として、まずシロイヌナズナCKSのキャラクタリゼーションを行なった。
グラム陰性細菌、トウモロコシのCKSアミノ酸配列をプローブとしてBLAST検索を行ない、シロイヌナズナのCKSオーソログAt1g53000を同定した。その推定アミノ酸配列にはN末端に葉緑体移行シグナル様配列が存在し、葉肉細胞プロトプラストで一過性発現させたGFP融合蛋白質も葉緑体に局在した。
葉緑体移行シグナルを除く領域を大腸菌で発現させたところCKS活性を示した。活性はpH 9.5で最大となり、UTPを基質とした場合はCTPの40%程度の活性を示した。今後T-DNA挿入変異株、RNAiによる発現抑制株の表現型について解析を進める予定である。
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© 2006 日本植物生理学会
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