日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

異なる光質下における茎表皮の細胞伸長と細胞分裂の差違
*平井 正良雨木 若慶
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 739

詳細
抄録
異なる単色光が茎伸長に及ぼす影響を明らかにすることを目的に以下の実験を行った.ヒマワリ,トマト,レタスの実生を,発光ダイオードを用いた青色および赤色の単色光と白色蛍光灯下で栽培し,下から数えて第1から第3節間について,節間長およびそれぞれの節間の表皮細胞の長さ,数を計測した.その結果,ヒマワリは青色光で,トマト,レタスは赤色光で節間伸長が最も促進された.3種とも節間伸長が大きい単色光下において細胞の伸長および数の増加がみられたが,青色光下のヒマワリと赤色光下のトマトの第一節間は細胞数の増加,第3節間は細胞伸長が節間伸長の主な要因であった.一方,赤色光下のレタスの第1節間は細胞伸長,第3節間は細胞数の増加が茎伸長の要因であった.つまり,光質による茎伸長の制御は細胞伸長と細胞分裂が光質により異なることが原因となっており,これらの変化の方向は植物種により,また同じ植物種であっても節間の位置により異なることが明らかとなった.
著者関連情報
© 2006 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top