日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Ri-ags遺伝子プロモーターの傷害応答性領域に結合する因子の解析
*柏原 俊彦猪口 雅彦近藤 弘清
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p. 758

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抄録
これまでに我々は、Agrobacterium rhizogenesのRiプラスミド由来のアグロピン合成酵素遺伝子 (Ri-ags) のプロモーターが、タバコ植物中で根及びカルス組織特異性を示し、葉及び茎では傷害応答性を持つことを示した。また、これら両方の発現特性に必要なシス作用領域として、Ri-agsプロモーター内の36塩基のwound responsive (WR) 領域を同定した。さらに、この領域内の8塩基の配列に核タンパク質が結合することを見出し、その配列をwound responsive element (WRE) と仮称している。
今回、我々はWREに結合する核タンパク質が転写調節因子であるか否かを調査するために、プロモーター活性の異なる葉 、茎 、根、毛状根、懸濁培養細胞の各組織から核タンパク質を抽出し、WREに対する結合活性をゲルシフトアッセイにより比較した。その結果、毛状根を除くすべての組織においてほぼ同じ移動度を示すDNA-タンパク質複合体が検出されたが、毛状根においてのみ他より高い移動度を示した。また、プロモーター活性の強度とWREに対する核タンパク質の結合活性の強度の間に相関は見られなかった。現在、各複合体に含まれるポリペプチドの同定と、結合タンパク質の単離・精製を行っている。
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© 2006 日本植物生理学会
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