日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネFOXラインからの元素、色素高蓄積変異体の単離
*近藤 陽一川島 美香市川 尚斉石川 明苗廣近 洋彦松井 南
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p. 906

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抄録
FOXハンティングシステムは次世代の機能獲得型変異体作出法である。この方法は遺伝子欠損型の変異体作出法とは異なり、変異体に遺伝子発現の増強による機能付加をもたらすことが期待される。我々は、シロイヌナズナにイネの完全長cDNAを導入したイネFOXラインを作成しており、作成されたラインを利用して、植物に有用形質をもたらすイネ遺伝子のスクリーニングを行っている。本発表では有用形質として元素高蓄積と色素高蓄積(Elements and Pigments)に着目し、イネFOXラインから植物の必須元素などを高蓄積する性質を持ったもの、色素を高蓄積する性質を持ったものを単離する試みを紹介する。
植物体内の元素比率を測定するため、我々は分散型蛍光X線分析装置を利用している。現在までに約3000ラインをT1世代でプレ・スクリーニングを行い、リン酸やカリウム、微量元素である鉄などを高蓄積するラインを幾つか単離している。
また植物体の色素含量は、本葉から80%メタノールにより色素を抽出し、マイクロプレートリーダーで吸光度を指標に測定している。現在までに約3000ラインをT1世代でプレ・スクリニーングを行い、UV-Bを吸収する色素などが高蓄積する変異体候補を幾つか単離している。
本研究は、平成17年度科学振興調整費「イネ完全長cDNAによる有用形質高速探索」によって行なわれている研究である。
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© 2006 日本植物生理学会
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