システム農学
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投稿論文
ダイズ草姿判別におけるニューラルネットワークモデル
―教師データ選択法の検討―
生出 真里森永 慎介二宮 正士
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ジャーナル オープンアクセス

1996 年 12 巻 1 号 p. 13-20

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抄録

ニューラルネットワークによる識別が農業研究でも導入されつつある。本論文では、パーセプトロン型ネットワークにおける教師データの選択法について検討し、より効率的に学習できる方法を提案する。パーセプトロン型ネットワークは教師データに対して正しく応答するように学習するため、汎化能力を議論するうえで教師データの選択法は重要である。しかし、ダイズ草姿判別への適用のように、識別要因となり得る特徴が明確でなく、特徴の分布に関する知識が不完全である場合、最適な教師データの選択法は確立されていない。そこで、ダイズシルエットの形状に関する21パラメータから育種家による評価(“Good”、“Fair”、“Poor”の3段階)を推定する問題にニューラルネットワークモデルを適用し、教師データの選択法について検討を行った。その結果、教師データ中の目標出力の分布に偏りがないこと、入力パターンの各成分の最大値及び最小値を含めることの2点の条件を満たす教師データで学習させると識別率が向上することが実験的にわかった。この教師データ選択法によって、従来の選択法に比較して約20%識別率が向上した。

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© 1996 システム農学会
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