日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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光周性花成経路におけるFKF1 F-box タンパク質の機能
*今泉 貴登Kay Steve A.
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p. S002

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抄録
日長変化が多くの植物の開花時期に影響を与えることは古くから知られている。しかしそれがどのような機構を介して制御されているのかは不明であった。最近、シロイヌナズナやイネなどのモデル植物を用いた分子遺伝学的解析から花成に関わる日長測定機構の実体が明らかになり始めた。
シロイヌナズナにおいては長日条件特異的な日中のCONSTANS (CO)遺伝子の発現が日長測定において重要であることが示唆されている。日中に発現したCOタンパク質は花成誘導遺伝子であるFLOWERING LOCUS T (FT)の発現を誘導する。FTタンパク質は茎頂においてタンパク質相互作用を介して花成誘導に関わることが示されている。この光周性花成機構における重要な疑問の1つとして、長日特異的な日中のCO発現がどのように制御されているのかということが挙げられる。私達は発現が概日時計により制御されているFLAVIN-BINDING, KELCH REPEAT, F-BOX 1 (FKF1) タンパク質が長日条件下における日中のCO遺伝子の発現制御に関与することを示した。さらにその分子機構の一端としてFKF1タンパク質がCO遺伝子の転写抑制因子タンパク質の安定性を制御することを明らかにした。本講演ではCO遺伝子の発現制御に関するFKF1タンパク質の機能について今までの知見及び今後の課題を含めて紹介したい。
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© 2006 日本植物生理学会
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