日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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CRES-T法を用いたシロイヌナズナのbZIP型転写因子の機能解析:乾燥ストレス耐性に関わるABAシグナル伝達系におけるAREB1の役割
*藤田 泰成藤田 美紀佐藤 里絵圓山 恭之進佐山 博子モハメド パルベツ関 原明平津 圭一郎高木 優篠崎 一雄篠崎 和子
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p. S061

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抄録
bZIP型転写因子は、DNA結合に関わる塩基性アミノ酸領域と二量体形成に関わるロイシンジッパー領域の2つのサブドメインからなるbZIPモチーフをもつ転写因子である。シロイヌナズナでは、約80のbZIP型転写因子が知られており、発芽過程から栄養生長期のストレス応答、さらに花芽形成過程において、重要な生命現象をつかさどるマスター因子として注目されている。AREB1は、シロイヌナズナの乾燥・塩応答性遺伝子RD29Bのプロモーター領域に存在するシス因子であるアブシジン酸(ABA)応答配列(ABRE)に結合するbZIP型の転写因子である。本研究では、CRES-T法を用いて、遺伝子破壊株では機能欠損を反映した表現型が十分に現れないと考えられたABA誘導性のbZIP型転写因子AREB1の機能解析を行った。AREB1のgain-of-function変異体に加えて、遺伝子破壊株およびCRES-T法を用いたキメラリプレッサー発現植物をloss-of-function変異体として用い、植物体の生育、遺伝子発現、ABA感受性および乾燥耐性に関わる表現型を解析した。また、ホモログ遺伝子のキメラリプレッサー発現植物における表現型の違いについてもあわせて報告し、AREB1が乾燥耐性能の向上に関わるABAシグナル伝達系を活性化する正の制御因子であることを示した。
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© 2006 日本植物生理学会
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