日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ、シロイヌナズナのタンパク質アノテーション配列を用いた植物ペプチドホルモン遺伝子の探索
*三原 基広井澤 毅
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p. 039

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抄録
植物ペプチドホルモンはペプチド性の細胞間情報伝達物質であり、CLV3に代表されるように植物の成長や分化において重要な役割を果たしている。しかしながら、イネ、シロイヌナズナのゲノム上には植物ペプチドホルモンに特徴的な分泌型ペプチドをコードする、比較的短い、機能未知の遺伝子が数多く見られるので、まだ機能同定されていない機能性ペプチドが多数存在すると考えられている。本研究では、そのような新規の植物ペプチドホルモンをバイオインフォマティクス的手法によって同定することを目的とし、既存の植物アノテーションデータを探索した。植物ペプチドホルモンは配列長が短く、かつ、保存領域がごく限られた領域という特徴を持つものが多いため、BLASTサーチでは検索が困難である。そこで、我々はモチーフサーチを利用した検索を実行した。まず、イネ、シロイヌナズナ、シゾンの全タンパク質アノテーション配列(83508配列)から、Pfam サーチにより、既知の保存ドメインとのヒットが無く、かつ、配列長が200以下で、かつ、分泌型ペプチドを持つ3866配列を選抜した。次に、このデータセットから期待値最大化法により保存モチーフを抽出し、保存モチーフの出現バターンで候補を絞り込み、最終的に22のペプチドホルモン遺伝子候補ファミリー(197配列)を同定した。現在、これらの遺伝子ファミリー内で共通な保存配列をペプチド合成し、植物体への添加実験を行っている。
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© 2007 日本植物生理学会
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