日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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乾燥ストレス応答時のヒストン修飾変化と転写調節
*金 鍾明藤 泰子石田 順子諸沢 妙子佐藤 将一川嶋 真貴子篠崎 一雄関 原明
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p. 071

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抄録
ヒストンN末端の化学修飾に依存したクロマチン構造の変化は遺伝子の転写制御に関与している。植物においても、発生や形態形成などにかかわる遺伝子領域の転写制御にヒストン修飾の変化をともなうと考えられている。
我々は、ストレス応答時における遺伝子発現制御とヒストン修飾との関連について、シロイヌナズナを用いてゲノムワイドでの解析を行っている。まず、ゲノム上にコードされるすべてのヒストンメチル化、アセチル化および脱アセチル化酵素の遺伝子破壊型ホモ系統の作成を進めるとともに、これら遺伝子破壊株を用いてストレス感受性試験を行った。その結果、ヒストン脱アセチル化酵素破壊株で乾燥ストレス感受性を確認した。この遺伝子破壊株を用いて、乾燥ストレス下における遺伝子発現の変化についてマイクロアレイ解析を行ったところ、乾燥ストレス応答に関与する幾つかの遺伝子群について、野生型株とは異なる発現変動が見られた。現在、これら変動が見られた遺伝子領域について、ヒストン脱アセチル化酵素のターゲット部位の同定とヒストン修飾の量的変化について解析を行っている。
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© 2007 日本植物生理学会
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