日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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硫酸イオントランスポーターSULTR1;2の硫黄栄養応答シス配列の同定
*丸山 明子中村 有美子斉藤 和季高橋 秀樹
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p. 072

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抄録
高親和型硫酸イオントランスポーターSULTR1;2は、シロイヌナズナの根における外界からの硫酸イオン吸収に主要な役割を果たす。SULTR1;2の遺伝子発現は環境中の硫酸イオン濃度の減少に応答して増加し、このことは硫黄欠乏下(-S)で植物が硫酸イオンの吸収を増すための適応機構であると考えられている。本研究では-Sに応答したSULTR1;2の発現誘導の分子機構を明らかにする目的で、SULTR1;2プロモーターに存在するシス配列の同定を試みた。ルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとしてシロイヌナズナの形質転換体を作製し、5'デリーション解析・塩基置換解析を行ったところ、SULTR1;2の-S応答には上流-371から-360の間の12bpが必要であることが分かった。この12bpはWRKY結合配列を含むが、単独では-S応答を誘導することができなかった。そこでこの12bpよりも下流のプロモーター領域についても同様の解析を行ったところ、12bpとともに上流-328から-323の領域が-S応答に必要であることが明らかになった。この領域はダイズのβ-コングリシニンβサブユニット遺伝子の-S応答領域であるSEF4モチーフを含んでいた。これらの結果から、SULTR1;2の-S応答は、異なる2つの転写因子が協調的に働くことで制御されている可能性が示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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