日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

原始紅藻C. merolaeの核、葉緑体ゲノムにおける重複遺伝子cfxQの解析
*藤田 清仁太田 にじ
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 074

詳細
抄録
紅藻・褐藻・クリプト藻などの葉緑体は祖先型シアノバクテリア共生の後、二酸化炭素固定酵素RuBisCOをコードするrbcL-rbcS<I/>とcfxQが遺伝子水平移動によりプロテオバクテリア型のものと入れ変わり進化したと考えられている。このcfxQに関してはバクテリアにおいては破壊すると光合成独立生育が不可能になることからRuBisCOの発現に必須遺伝子とされてきた。
原始紅藻Cyanidioschyzon merolaeは最近全塩基配列が決定され、以前色素体で報告されていたcfxQと共に核ゲノムにもcfxQがコードされていることがわかった。また、この二つの遺伝子は系統、転写様式も異なっていることを我々は明らかにしてきた。本研究では色素体と核にコードされている二つのcfxQについて機能とそれぞれの相違点を明らかにすることを目的として研究を進めている。
今回、核と色素体のCfxQタンパク質を精製しゲルシフト解析を行った結果、両CfxQが色素体ゲノム上のrbcLプロモーター領域に結合すること、また結合に影響を与える因子が存在することが明らかになった。この結果や転写発現を基にCfxQの機能について考察した。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
Top