日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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表層微小管の配向に関与するPHS1に遺伝学的相互作用を示す因子の探索
*加藤 壮英Pytela Jaromir直井 国子橋本 隆
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p. 162

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抄録
植物細胞間期に見られる表層微小管は細胞の伸長方向を調節し、そこに多くの微小管付随タンパク質が関与していることが考えられている。シロイヌナズナPHS1はMAPキナーゼフォスファターゼ様タンパク質をコードし、その優性変異体phs1-1の根は左巻きにねじれる。さらに、微小管重合阻害剤に対して高感受性を示す。レポーターを用いた解析により、PHS1は根端から伸長域を含む組織で強く発現し、細胞内では主に細胞質に存在した。つまり、根の伸長域で表層微小管の配向制御にMAPキナーゼを介したリン酸化カスケードが関与していることが強く示唆される。我々はその機構に遺伝学的に関与する新規因子の単離を試み、phs1-1にEMS処理を行い、根の表現型が抑圧する変異体を100系統以上選抜した。一部は、PHS1遺伝子内にphs1-1以外の変異を持つものや、αチューブリンにミスセンス変異を持つ系統だった。さらに、微小管関連タンパク質SPR1にミスセンス変異をもつ系統も同定した。PHS1のよる微小管調節機構が、SPR1の関与する微小管機能と深く関与する可能性を示した。現在、残りの変異体についても順次クローニングを進めている。
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© 2007 日本植物生理学会
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