日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ微小管重合核形成複合体の変異は右巻きねじれ表現型を与える
*中村 匡良橋本 隆
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p. 161

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抄録
植物の細胞伸長の方向は表層微小管の配向により制御されていると考えられている。シロイヌナズナspiral3-1 (spr3-1) 変異株は、根の伸長領域における表層微小管束がやや左肩上がりに配向しているため、表皮細胞が右巻きにねじれ、根が右方向に向かって伸長する形質を示した。spr3-1変異株の原因遺伝子であるSPR3は、動物やカビで報告されているgamma ring protein 84(Grip84)ホモログをコードしていた。Grip84はγチューブリンやGrip91などから成る微小管重合開始点の機能をもつγチューブリン複合体の一サブユニットである。spr3-1変異ではGripタンパク質ファミリーに高度に保存されたモチーフの保存性の高いアミノ酸残基が置換していた。酵母Two-Hybrid解析から、変異型SPR3はγチューブリン複合体の他のサブユニットであるシロイヌナズナGrip91ホモログとの相互作用が弱くなっていることが示唆された。また、植物の表層微小管は、既存の微小管からほぼ一定の角度で分岐するように表層微小管を形成することが知られているが、spr3-1変異株では、この表層微小管分岐角度に野生型との差が見られた。これらの結果より、spr3-1変異はγチューブリン複合体の形成異常を引き起こし、微小管の動態ひいては微小管の配向に影響を与えることが示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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