日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるSUMO標的タンパク質の同定
*長渕 美緒岡田 祥子中川 強田中 克典
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p. 178

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抄録
SUMO化修飾は、タンパク質の機能、活性、局在を変換する機構であり、細胞内シグナル伝達に重要な役割を果たす。しかし、植物におけるSUMO標的タンパク質についてはほとんど報告例がない。SUMO化修飾には、SUMO特異的E1, E2, E3酵素が必要であり、標的タンパク質はSUMOとE2酵素の両方と相互作用する例が多い。シロイヌナズナでは、AtSCE1aが唯一のE2酵素である。そこで、two-hybrid法によりAtSCE1a結合タンパク質を単離することで、SUMO標的タンパク質の同定を試みた。その結果、3種類のタンパク質の単離に成功した。そのうちAt2g20310は、植物に特有の機能未知タンパク質であった。また、シロイヌナズナにはAt2g20310のパラログとしてAt4g28690が存在する。At2g20310とAt4g28690は共にAtSUMO1, 2, 3と相互作用を示した。さらに、in vitro及び大腸菌を宿主としたin vivo SUMO再構成系においてそれぞれのSUMO化を確認した。以上の結果は、At2g20310とAt4g28690がSUMO標的タンパク質であることを強く示唆する。また、GFP融合タンパク質による解析の結果、At2g20310は根端付近の細胞の核に局在していた。現在、これら二つのタンパク質の機能と、SUMO化についてさらなる解析を進めている。
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© 2007 日本植物生理学会
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