日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

ゴマ由来UGT71Aサブファミリー配糖化酵素はフロフラン型リグナンを配糖化する。
*小埜 栄一郎福井 祐子角谷 佐紀山口 雅篤梅澤 俊明田中 良和中尾 正宏
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 196

詳細
抄録
リグナンはケイヒ酸モノリグノール経路から派生する二次代謝産物であり、維管束植物に幅広く存在している。セサミンはゴマ科植物の種子に含まれるフロフラン型の代表的なリグナンであり、エタノール誘導性の肝障害の保護、脂肪酸代謝の促進、ビタミンE活性の増強、活性酸素生成の抑制など多岐にわたる有用な生物活性を有することから既に健康食品として商品化されている。ゴマ由来CYP81QサブファミリーのP450タンパク質は初期リグナンであるピノレジノールに二回のメチレンジオキシブリッジを形成し、セサミンを生成する。ゴマ種子内においてセサミンはその後、セサミノールおよびセサミノール配糖体に代謝されるが、その分子機構については不明である。ゴマ種子(Sesamum indicum) cDNAライブラリーから単離した新規配糖化酵素をコードするUGT71A9遺伝子はゴマ種子において強い発現を示した。大腸菌で発現させたUGT71A9はセサミノール、ピペリトールおよびピノレジノールに対して配糖化活性を有していた。アフリカのゴマ野生種であるS.alatumおよびS.radiatumから単離したUGT71A8およびUGT71A10の組換えタンパク質においてもリグナン配糖化活性が認められため、UGT71Aサブファミリー配糖化酵素がゴマ科植物において機能的に保存されていることが示された。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top