日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミヤコグサより単離した3つの相同なMYB型転写因子の機能解析
*由田 和津子岩坂 吏得子佐藤 修正田畑 哲之作田 正明
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p. 199

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抄録
フラボノイド合成は、周囲の環境からのストレスや発達段階、器官、組織による違いなど、さまざまな要因によってその発現が制御されている。マメ科植物ではフラボノイド合成に関与する酵素群は多重遺伝子族を形成しており、その背後には種々の要因に応答する複雑な転写制御ネットワークの存在が推察される。近年、種々の植物において、フラボノイド合成に関与する転写調節因子(MYB、bHLH、WD40タンパク質)が単離され、特性解析がなされている。マメ科モデル植物であるミヤコグサのゲノムデータベースを検索したところ、これらの転写調節因子と相同性の高いいくつかのホモログが見つかった。このうちシロイヌナズナのプロアントシアニジン合成に関与するとされるTT2と相同性の高い遺伝子が3つ存在した(LjMYB-1, -2, -3)。これらの遺伝子は異なる発現パターンを示したことから、LjMYB-1, -2, -3はそれぞれ機能分化している可能性が示唆された。そこで、シロイヌナズナのプロアントシアニジン合成の鍵酵素であるBANYULS (BAN) のプロモーターに対する転写活性化能を、レポーターアッセイにより検討した。その結果、シロイヌナズナにおいてLjMYB-1, -3はBANの転写を活性化することが明らかとなり、TT2様の機能を持つことが示唆された。現在、3つのLjMYBと相互作用する他の転写因子に注目して解析を進めている。
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© 2007 日本植物生理学会
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