日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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代謝物―代謝物相関解析による植物代謝物プロファイリング~モデル植物の包括的理解に向けて
*草野 都福島 敦史Jonsson ParMoritz Thomas小林 誠林 尚美有田 正規時松 敏明金谷 重彦斉藤 和季
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p. 200

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抄録
メタボロミクスはシステムバイオロジー研究の一端を担う分野であり、植物の包括的理解のための研究手段として急速に発展した。現在、メタボロミクス方法論は多変量解析のみならず代謝物―代謝物相関解析を含んだ、よりインフォマティクスと融合したものに進化している。前年度大会において、我々はGC-TOF/MSを用いたメタボロミクスパイプラインについて紹介した。本大会では実際に本パイプラインを用い、代謝物変動が報告されているシロイヌナズナ変異株について、代謝物―代謝物相関解析による植物代謝物プロファイリングを行った。
MS培地上でシロイヌナズナ野生型(Col-0)、メチオニン過剰蓄積株(mto1-1)およびCHS機能欠損変異株(tt4)を生育させ、地上部および地下部を個体別にサンプリングした。得られたサンプルについてGC-TOF/MS分析を行い、最終的に地上部で96既知化合物を同定し、67未知化合物ピークを得た。地下部においては97既知化合物を同定し、69未知化合物ピークを得た。次に、地上部163ピークについて、Col-0, mto1-1およびtt4での代謝物―代謝物相関解析を行った。その結果、mto1-1ではCol-0やtt4で保持されている代謝制御の制御構造が変化していることが示唆された。tt4においては、リンゴ酸―シキミ酸経路系を中心とした相関関係の変化を抽出することに成功した。
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© 2007 日本植物生理学会
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