日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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グルコシノレート生合成遺伝子群を制御する転写因子のオーム科学的アプローチによる同定
*平井 優美杉山 健二郎澤田 有司峠 隆之鈴木 あかね大林 武荒木 良一櫻井 望鈴木 秀幸青木 考西澤 治柴田 大輔斉藤 和季
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p. 201

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抄録
我々は硫黄栄養欠乏条件下でシロイヌナズナのトランスクリプトームとメタボロームの経時的変化を調べ、一括学習自己組織化マッピングにより共発現・共蓄積する遺伝子群・代謝物群を明らかにした。既知のグルコシノレート(GSL)生合成酵素遺伝子群が硫黄栄養欠乏条件下で共発現していることがわかり、これらと共発現している機能未知遺伝子は同様にGSL生合成に関与すると推察した。この考えに基づき、GSL生合成遺伝子群を正に制御する転写因子の候補遺伝子を見出した。AtGenExpressプロジェクトで取得された1388アレイデータを用いた共発現解析により、この遺伝子はメチオニン由来GSL(MET-GSL)生合成に関与する酵素遺伝子群とのみ共発現していることがわかり、これらの遺伝子群を特異的に制御すると推定された。当該遺伝子ノックアウト変異株、および過剰発現T87培養細胞のトランスクリプトームとGSL蓄積パターンを解析した結果、実際にこの転写因子はMET-GSLの生合成を正に制御し、トリプトファン由来GSLの生合成には関与しないことが示された。本発表ではMET-GSL生合成の制御メカニズムについても考察する。
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© 2007 日本植物生理学会
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