日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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代謝パスウェイとリンクしたフラボノイド階層分類データベースの構築
*時松 敏明真保 陽子諏訪 和大中西 由紀子藤原 夕希子有田 正規金谷 重彦
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p. 209

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抄録
フラボノイドは、フェニルプロパノイド-酢酸複合経路から生合成されC6-C3-C6骨格を持つ、植物の主要な二次代謝産物のグループである。現在、6000種以上のフラボノイドが様々な植物種から報告されている。フラボノイドは植物の主要な色素成分であり、抗酸化活性、抗アレルギー活性やその他の生物学的な機能を持つことが知られている。構造の分類により、物理化学的な性質、置換パターン、生合成経路、植物の代謝経路の進化について明らかにしうるので、構造の分析は解析の鍵である。そこで、我々は代謝パスウェイおよび植物種とリンクしたフラボノイド階層分類データベースを構築した。データベースには約6000種のフラボノイドが登録されており、12桁のIDシステムを用いて、骨格、水酸基の導入パターン、置換基のパターンで分類している。また、我々は代謝経路と関連づけて代謝産物-植物種の関係を閲覧できるビューアーも開発した。本ビューアーでは、植物の系統樹、フラボノイドの階層分類、代謝パスウェイをリンクさせて見ることができる。これらのソフトウェアシステムはhttp://www.metabolome.jp/ で公開している。今回、フラボノイドの階層分類システム、およびソフトウェアシステムの詳細について報告する。今後、他のフェニルプロパノイドや二次代謝産物についても分類を行い、データベースを構築する計画である。
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© 2007 日本植物生理学会
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