抄録
イネの栽培品種の一つであるOryza glaberrima Steud.は、不良環境抵抗性を示すと一般的には言われている。しかしながらOryza glaberrimaの水ストレスに関する反応性やその生理的メカニズムは明らかではない。本研究は、豪雨や河川の氾濫による急激な水位上昇をともなう冠水(Flash floods)に対するOryza glaberrimaの生理的反応の特性を検証した。
材料および方法
本研究は、ギニア共和国で2006年5月から6月にかけて行った。ギニア在来品種Saligbeli (Oryza glaberrima)、Ballawe (Oryza sativa)とFlash Flooding 耐性品種IR49830-7-1-2-2 (Oryza sativa)の3品種を供試した。播種後12日目の幼苗を水深1mで7日間完全冠水した。
結果および考察
SaligbeliとBallaweは冠水初期に冠水時に成長する葉鞘(第5・6葉)を伸長させることにより、草丈が急激に伸長した。一方、同時期のIR49830-7-1-2-2の葉鞘伸長はほとんど見られなかった。冠水前のSaligbeliは地上部に対する地下部の乾物重比が他の品種に比べて大きいが、冠水処理により地下部の乾物重比は減少し、冠水後半には他の品種と同程度となった。Saligbeliは乾物分配パターンを変化させることにより、地上部の成長を維持していることが示唆された。