日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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キシログルカンに作用する新規α-1,2-フコシダーゼ
*石水 毅橋本 周子藤井 健太武田 亮長谷 純宏
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p. 253

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抄録
植物細胞壁多糖の代謝関連酵素には未知のものが未だ多い。我々はキシログルカンに作用する新規α-1,2-フコシダーゼを見出したので報告する。
我々は、糖タンパク質のN-配糖体のManβ1-4GlcNAc結合をエンド型で加水分解する植物特異的酵素、エンド-β-マンノシダーゼ(EC 3.2.1.152, EBM)を発見した(J. Biol. Chem. 279, 38555 (2004))。EBMは液胞に存在し、糖タンパク質糖鎖の代謝に役割を担っていると推測される。さらに我々は、EBMがもう一つのタンパク質と結合した複合体を見出し、この複合体をテッポウユリより精製した。結合タンパク質は植物由来の機能未知タンパク質とのみ高い相同性があり、ビフィズス菌由来AfcAタンパク質のフコシダーゼドメインとわずかながら相同性を示した。基質特異性解析により、この複合体酵素は非還元末端にあるα-1,2-フコシド結合を加水分解することが判明した。α-1,2-フコシド結合を持つ植物糖鎖であるキシログルカン由来の糖鎖にもよく作用した。この新規α-1,2-フコシダーゼの生理機能との関わり、EBMとの結合の意義について興味が持たれる。
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© 2007 日本植物生理学会
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