日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの表皮細胞分化に関与するCPC LIKE MYB遺伝子の解析
*冨永 るみ岩田 美根子佐野 亮輔岡田 清孝和田 拓治
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p. 263

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抄録
CAPRICE (CPC) は、シロイヌナズナの根毛形成を制御するR3タイプのMYB遺伝子である (Wada et al., 1997)。CPCのホモログとして、TRIPTYCHON (TRY)、ENHANCER OF TRY AND CPC1 (ETC1)、ENHANCER OF TRY AND CPC2 (ETC2) が報告されている。我々はこれらにCPC LIKE MYB3 (CPL3) を加えた5つの遺伝子について解析を進めている。各CPC 相同遺伝子の過剰発現体は、根毛が増加しトライコームが減少した。cpc突然変異体は根毛が減少し、try突然変異体は葉のトライコームがクラスター状になることが知られているが、その他のCPC相同遺伝子突然変異体では顕著な表現型が観察されなかった。そこで二重、三重、四重変異体を作出したところ、根毛の減少及びトライコームの増加がみられ、5つのCPC相同遺伝子が協調的に機能していることが示唆された。またプロモーターGUSやGFP融合タンパク質の局在の観察から、CPC、TRY、ETC1が主にトライコームと根で発現するのに対しETC2CPL3は気孔で強く発現することや、根で細胞間移行するのはCPCのみだということが明らかになった。さらにCPL3遺伝子特異的機能として、胚軸の気孔分布の変化、核相の変化による生長制御及び花芽形成時期の変化が観察された。
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© 2007 日本植物生理学会
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