日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケpentatricopeptide repeat タンパク質ファミリーの機能解明を目指して
*服部 満西川 友子大野 雅幸中村 崇裕杉田 護
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p. 272

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抄録
Pentatricopeptide repeat (PPR)タンパク質は、35アミノ酸保存配列を繰り返し持つタンパク質である。PPRタンパク質はシロイヌナズナとイネに450種ほど存在することが知られている。その多くはミトコンドリアや葉緑体に局在すると予測されることから、植物のオルガネラ機能の発現を担う重要なタンパク質ファミリーとして注目されている。しかし、その詳細な役割に関しては不明である。我々は最近解読されたヒメツリガネゴケ(以下、コケ)ゲノムのドラフト配列情報から103種のPPRタンパク質遺伝子を見いだした。シロイヌナズナの全PPRタンパク質遺伝子の8割はイントロン配列を持たないのに対して、コケのPPRタンパク質遺伝子の8割はイントロン構造を持つのが特徴である。さらに3種の細胞内局在予測プログラムを使って、コケPPRタンパク質の細胞内局在を予測したところ、葉緑体局在のものが32種、ミトコンドリア局在のものが42種と予測され、残りの29種はその他(ERや核など)となった。葉緑体局在予測のPPRタンパク質については、GFPの一過的発現観察を行ったのでその結果を報告する。最近、コケPPR531-11タンパク質が葉緑体clpP転写物のスプライシングに働くことを明らかにしたのでその結果も合わせて報告する。
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© 2007 日本植物生理学会
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