日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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葉緑体RNA編集に関わるPPRタンパク質は機能的に保存されたドメイン構造を持つ
*奥田 賢治明賀 史純本橋 令子篠崎 一雄鹿内 利治
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p. 271

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抄録
RNA編集は、RNA上で塩基配列を書き換える転写後調節機構であり、幅広い生物で見つかっている。高等植物のRNA編集はCからUへの塩基置換で、葉緑体とミトコンドリアでそれぞれ約30箇所、400箇所以上と非常に多くのRNA編集を受ける部位が存在する。我々は昨年の本大会で、高等植物で巨大な遺伝子ファミリーを形成しているPPRタンパク質の一つCRR4が、葉緑体ndhDの開始コドンを作製するRNA編集部位近傍の配列に特異的に結合することによって、編集部位の特異的認識を行っていることを報告した。
本研究では、核コード葉緑体タンパク質遺伝子破壊株(Dsタグライン)を用いて、さらなるRNA編集に関与するPPRタンパク質の同定を逆遺伝学的に試みた。その結果、PPRタンパク質の一つCRR21がndhDの128番目のセリンをロイシンへと換えるRNA編集に関与することが明らかになった。CRR4とCRR21は共にPPRタンパク質ファミリーにおけるE+クラスに属する。E+クラスはC末端にEモチーフとE+モチーフ(E/E+ドメイン)と呼ばれるPPRモチーフとは異なるドメインを持っている。このE/E+ドメインの欠損およびCRR4とCRR21間でのドメインスワッピング実験は、CRR4とCRR21間でE/E+ドメインは機能的に保存されていることを示唆した。
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© 2007 日本植物生理学会
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