日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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コムギALMT1トランスポーターの膜配向性の解析
*元田 弘敏佐々木 孝行山本 洋子
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p. 288

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抄録
コムギのALMT1は、細胞膜局在性のアルミニウム(Al)活性化型リンゴ酸トランスポーターである。このタンパク質は、459アミノ酸残基からなり、ハイドロパシープロットから5~8の膜貫通領域を持つと予想された。ALMT1トランスポーターの構造解明を最終目的として、本研究ではタンパク質の膜配向性の解析を行った。動物の培養細胞にALMT1遺伝子を導入し一過的に発現させた。その際、ALMT1を発現している細胞を識別するために、N末端やC末端へGFPまたはHisタグを付加したALMT1を発現させ、Hisタグに対する抗体やALMT1のNおよびC末端側の親水性領域のペプチドに対する抗体で免疫染色し、蛍光顕微鏡で観察した。このとき、界面活性剤処理の有無で免疫染色の程度を比較し、エピトープ領域の配向性を判断した。細胞の内側にエピトープがある場合、界面活性剤により細胞内に抗体が透過した場合にのみ染色がみられるが、外側の場合には界面活性剤処理の有無にかかわらず染色がみられる。解析の結果、ALMT1のN末端およびC末端は細胞の外側に存在することが強く示唆された。また、その他の親水性領域についても抗体染色を行っており、その結果を合わせてALMT1の配向性について報告する。
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© 2007 日本植物生理学会
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