日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

葉緑体タンパク質をコードするシロイヌナズナ核遺伝子のタグラインを用いた表現型解析
*明賀 史純本橋 令子飯泉 治子秋山 顕治櫻井 哲也篠崎 一雄
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 309

詳細
抄録
我々はシロイヌナズナの核コード葉緑体タンパク質の機能解析を目的に、葉緑体タンパク質のタグラインの大規模収集を行った。我々は、予想プログラムから葉緑体に移行すると予想された2,090個の葉緑体タンパク質の内、遺伝子の内部にトランスポゾンまたはT-DNAが挿入した1,374個、3,416ラインのタグラインを収集し、ホモラインプールの作製を行った。この過程で、albinoまたはpale-green変異体(apg変異体)や形態が異常な変異体などの多数の表現型異常変異体が得られた。702ラインの理研のDsタグラインから、578ラインのホモライン(404遺伝子)、59ラインの表現型異常変異体(43遺伝子)、62ラインのホモラインが得られない変異体(51遺伝子)が得られた。表現型異常を引き起こす43個のDs挿入遺伝子の内、20遺伝子は同じ表現型を示す複数のアレルが存在することから、これらは葉緑体形成に重要な遺伝子であると考えられた。ホモラインが得られない51個のDs挿入遺伝子は、葉緑体形成必須遺伝子であると考えられ、葉緑体が胚発生に深く関与することが示唆された。さらに、環境ストレスに関与する葉緑体タンパク質の機能を明らかにするために、578ラインのホモラインを用いたストレス耐性スクリーニングを行った。現在いくつかの薬剤や光・温度などの環境変化に対する感受性の異なる変異体の候補が得られており、その解析結果について報告したい。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top