日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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外在活性窒素によるPSII表在タンパク質の選択的優先的ニトロ化と酸素発生への影響
*高橋 美佐重藤 潤浅田 浩二坂本 敦森川 弘道
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p. 343

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抄録
大気中の窒素酸化物(NOx; 実質的に一酸化窒素NOと二酸化窒素NO2からなる)は、外在活性窒素である。植物体内に取り込まれたNO2由来の窒素の一部はケールダール法で回収されない未解明窒素(UN)化合物となる。ニトロ化合物はUN化合物の1つである。NO2暴露により植物タンパク質はニトロ化される。本研究では、ニトロ化タンパク質のプロテオミクスおよびタンパク質ニトロ化の酸素発生への影響を解析した。
NO2暴露したシロイヌナズナ(4週齢)葉から抽出したタンパク質をSDS-PAGEで分離、抗ニトロチロシン(NT)抗体を用いてウェスタンブロット解析した。その結果、抗NT抗体と反応する複数のバンドが観察された。そこで、タンパク質を二次元電気泳動で分離、抗NT抗体―ウェスタンブロット解析した。その結果、>1000個のタンパク質の内、7個のタンパク質スポットが抗体と反応した。各タンパク質スポットをMALDI-TOF MS分析、PMFにより同定した。その結果、これら7個のスポットは、すべてPSII表在性タンパク質PsbOまたはPsbPに帰属された。PsbQのニトロ化は観察されなかった。単離葉緑体を用いた解析からも同様な結果が得られた。以上、外在活性窒素によりPsbOとPsbPが選択的優先的にニトロ化されることが分かった。さらに、PsbOやPsbPのニトロ化と酸素発生阻害には並行関係が観察された。
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© 2007 日本植物生理学会
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