日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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過剰発現によりイネカルスの緑化を誘導するOsGLK1遺伝子の機能解析から探る葉緑体分化の制御機構
*中村 英光羽方 誠土岐 尚子梶川 真理子安藤 成子天野 晃廣瀬 文昭市川 尚斉松井 南上野 修高野 誠廣近 洋彦市川 裕章
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p. 403

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抄録
我々は、イネに有用形質を付与するイネ遺伝子をゲノムワイドかつ迅速に選抜することを目的に、Full-length cDNA Over-eXpresser gene (FOX) hunting systemを用いてイネ完全長cDNAの機能解析を行っている。その過程で、約25,000の独立したFOXイネ系統カルスから2,4-D含有培地で緑化する2系統のカルスを得た。両系統はGARP転写因子をコードするOsGLK1遺伝子を高発現していた。同遺伝子の発現誘導は野生型イネカルスを再分化培地に置床した後の緑化誘導と同調していた。OsGLK1-FOX系統カルスのマイクロアレイ解析では野生型カルスと比較して多くの葉緑体/光合成関連遺伝子の発現上昇が観察された。さらに、同FOXカルスの透過型電子顕微鏡観察でグラナ構造のよく発達した葉緑体が見られ、同FOX系統のシュートでは、葉緑体が比較的未発達な維管束系細胞でも葉緑体の発達が促進されていた。また、このOsGLK1過剰発現による葉緑体分化(クロロフィルの合成、膜構造の発達、葉緑体関連遺伝子の発現誘導)は暗黒下では起こらなかったことから、OsGLK1の機能は光により厳密に制御されていることが示唆された。以上より、OsGLK1は光や植物ホルモンの制御下で、葉緑体分化のkey regulatorとして機能していることが強く示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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