日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネにおける新規クロライドチャンネル遺伝子の解析
*中村 敦子福田 篤徳小幡 年弘酒井 愼吾田中 喜之
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p. 419

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抄録
高塩濃度環境に生育する植物の細胞内におけるイオンの挙動を解析することは耐塩性機構を明らかにする上で重要である。植物のNa+輸送体が塩ストレスの回避に重要な役割を担っているが、Na+のカウンターイオンであるCl-が、塩ストレス条件下においてどのように取り込まれ、挙動しているのか明らかではない。植物において、クロライドチャンネルはシロイヌナズナのAtCLC-aおよびAtCLC-cが細胞内硝酸イオン濃度の調節に関与していることが報告されているが、これ以外に報告はない。
我々はこれまでイネのcDNAライブラリーより単離した2種類のクロライドチャンネル(OsCLC-1,OsCLC-2)について解析し、ゲノム中における遺伝子構造やmRNAの発現パターン、細胞内局在など多くの類似点をもつことを明らかにしてきた。今回、イネの完全長cDNAデータベースの検索で新たなCLCホモログ遺伝子3種 (AK066375, AK101523, AK119459)を見出し、それぞれの分子生物学的解析を行った。OsCLC-1,OsCLC-2とは異なり、特異的な器官に発現するもの、またOsCLC-1,OsCLC-2遺伝子破壊系統において発現量が増加するものなどがあり、OsCLC-1,OsCLC-2とは異なる機能を持つことや、相互に発現調節することが示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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