日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナF-boxタンパク質の大規模ORFクローニングおよび選択的スプライシングの解析
*黒田 浩文堀井 陽子高瀬 智敬清末 知宏松井 南
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p. 429

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抄録
F-boxタンパク質はユビキチンシステムのE3の一つであるSCF複合体の構成タンパク質であり、ユビキチン化の標的タンパク質に対するレセプターをして働く。我々は、In Silico解析からシロイヌナズナゲノムに存在するF-boxタンパク質を568個予測している(Kuroda et al. 2002)。これまでに約20のF-boxタンパク質の生理的機能が報告されているが、予測した遺伝子の殆どが機能未知である。我々は、逆遺伝学的にF-boxタンパク質の機能解析を行っており、そのツールとして、TAIRの予測配列を基にしたORFセットの作成を試みた。
様々な組織由来のtotal RNAを用いたRT-PCRおよび完全長cDNAを鋳型にしたPCRによりORFの増幅を行い、塩基配列解析を行った。このORFセットは、1)完全長cDNA の報告がない遺伝子のORFを含む、(2)新規なスプライシングバリアントと考えられるORFを含む、(3)終止コドンを含まない、(4)GATEWAY対応の特徴を持つ。新規なORFについて、塩基配列、ドメイン構造、発現パターンについて解析した結果、スプライシングバリアント間でのドメイン構造の変化、新規なスプライシングタイプ(Li et al. 2006)に属するスプライシングバリアント、組織特異的スプライシングを行う遺伝子の存在が明らかになった。
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© 2007 日本植物生理学会
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