抄録
我々は完全長cDNAの情報をもとにシロイヌナズナ・イネ・ヒト・マウスの正確なTSS情報を持つプロモーターデータベースを用意し、プロモーターがどの様な構成因子により成立しているのかを解析した。我々はプロモーター上の特定の位置で多く見られる短い配列を抽出するというアプローチから、ゲノムあたり500-1000個程度の因子を一括して同定することが出来た。この中にはTATAボックス、CAATボックス、Inr、並びに転写調節を担う既知のシス配列が含まれる。さらに新規の植物プロモーター固有の配列や、多数の転写制御配列の候補が得られた。この手法により、マイクロアレイ解析等の知見やを必要とせずにゲノムごとの固有な情報を得ることが出来た。以上の解析により動植物ではコアプロモーターの構造に違いがあることが示唆された。